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【要注意】転職で年収が100万円下がる?原因と下がらない方法をわかりやすく解説
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「転職したいけど、年収が下がったらどうしよう……」
「転職すると年収が100万円も下がるって聞いたけど、本当?」
このような不安を抱えている人は多くいます。転職は新しいチャレンジであると同時に、不安を伴う決断でもあります。特に、年収が100万円も下がるかもしれないと考えると、どうしても慎重にならざるを得ません。
転職による年収減少の理由は、役職や業界の変更など多岐にわたります。ですが、そうしたリスクを知って準備をすれば、転職を成功に導くのも可能です。
この記事では「転職で年収が100万円下がる理由」を解説しています。「転職する際の準備」や「100万円下がらない方法」も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
監修者
古里 栄識
クラウドエンジニア/RareTECHメイン講師
慶應義塾大学理工学部卒業。フリーランスエンジニアとして活動後、AWS Japanに入社。現在は、RareTECH講師としての登壇や、法人向けIT研修講師として勤務。情報処理安全確保支援士。
転職で年収が下がるケースは多い
転職と聞くと、年収が上がるケースを想像してしまいますが、実際は逆です。アメリカと違い、日本ではまだ転職する層が少ないため、多くの人が転職により年収が下がっています。
まずはどのような状態なのか、以下にわけて見ていきましょう。
- 年齢が上がるほど下がる傾向にある
- 1割以上も下がる人が多い
- 転職で年収が増加するのは若い頃がほとんど
年齢が上がるほど下がる傾向にある
転職で年収が下がるケースは、決して珍しくありません。特に、年齢を重ねるにつれて、この傾向は顕著になってきます。厚生労働省が公表している「令和5年上半期雇用動向調査結果」によると、以下の数値になっています。
- 1割未満の減少:7.4%
- 1割以上の減少:25.8%
合計すると33.2%にもなり、おおよそ3人に1人が転職によって年収が下がっています。この傾向は年齢が上がるほど増え、55歳~59歳では35.8%もの人が減少しているのが実状です。
現状、日本で転職すると下がる可能性の方が高いと認識しておいた方が良いでしょう。
1割以上も下がる人が多い
厚生労働省が公表している「令和5年上半期雇用動向調査結果」によると、転職によって年収が1割以上下がる人は少なくありません。これは、転職先でのポジションや役割、企業の業績など様々な要因が影響しています。
例えば、大企業から中小企業へ転職した場合、福利厚生や賞与などが減った結果、年収が大幅に下がるケースがあります。
そのため、年収を下げないためには転職先のリサーチが非常に重要です。
転職で年収が増加するのは若い頃がほとんど
一般的に、転職によって年収が増加しやすいのは、若いうちだけです。以下の表を見てみましょう。
年齢 | 年収が増加した割合 | 年収が減少した割合 |
19歳以下 | 45.8% | 23.0% |
20歳~24歳 | 54.0% | 19.3% |
25歳~29歳 | 47.7% | 22.3% |
30歳~34歳 | 47.4% | 32.6% |
35歳~39歳 | 40.8% | 31.4% |
引用:厚生労働省「令和5年上半期雇用動向調査結果」
35歳以降から年収増加率が下がり始めます。転職は35歳までと言われているのは、こうした背景も関係しているといえるでしょう。
若い頃は、誰でもポテンシャルを評価され、年収が大きく上がる可能性があります。20代の半数近くが年収増加しているのもそのためです。
しかし、年齢を重ねるごとに積み重ねたキャリアや実績が重視されるようになり、転職による年収アップは難しくなっていきます。
転職で年収をアップさせたい場合は、ポテンシャルではなくこれまでの経験やスキルを活かせるかどうかで判断する必要があります。
転職で年収が100万円下がる理由
転職で年収が100万円も下がるのはなぜなのでしょうか。それには以下の3つの理由が関係しています。
- 役職が下がるため
- 基本給が上がらず残業代が下がるため
- 異業種からのキャリアチェンジなため
役職が下がるため
転職によって年収が100万円も下がる大きな理由の1つに、役職が下がるケースがあります。前の会社では部長職だったのに、新しい会社では課長職といった形で役職が1つ下がると、それに伴って年収も大幅に減少します。
新しい会社での経験や実績がまだ評価されていないためです。キャリアに見合った報酬を得られていません。働いているうちに解消できる可能性はありますが、正当な評価を受けていないと感じた場合は再度の転職も視野に入れましょう。
基本給が上がらず残業代が下がるため
転職先では、前の会社のような残業が少なく、基本給が中心となる場合もあります。近年は残業無しを掲げている企業が増えているため、残業で稼いできた人にとっては大幅に年収が減る形です。
また、残業代だけでなく基本給自体も前の会社と比べて低い場合は、さらに年収が下がるケースも珍しくありません。特に働き方改革が進んでいる企業では、残業時間が制限されているため、収入が安定しないという側面があります。
入社前に基本給や残業について確認し、企業との認識をすり合わせておくようにしましょう。
異業種からのキャリアチェンジなため
全く異なる業界へ転職する場合、これまでの経験やスキルが活かせないことが多くあります。結果、年収が下がるといったケースが起こります。
新しい業界では、未経験の仕事からスタートするのが一般的です。初任給が低く設定されているケースも少なくありません。新しいスキルを習得するために、研修や資格取得が必要になると、その間は収入が減ってしまう場合もあります。
異業種からのキャリアチェンジは年収の面ではリスキーなため、慎重に検討しましょう。
100万円も年収が下がっても転職する際にする準備
年収が100万円下がるというのは、生活するにあたって非常に大きな変化です。そのため、予めわかっている場合は、以下の準備をしておきましょう。
- 家族に納得してもらう
- 自分がやりたい仕事なのかを自問する
- 生活に影響が出ないかどうかを試算する
家族に納得してもらう
年収が大きく下がる転職は、自分自身だけでなく、家族にも大きな影響を与えます。家計を同じにする家族がいる場合は、かならず話し合いましょう。理解のないままに転職すると、大きなトラブルに発展する可能性があります。
なぜその会社に転職したいのかや将来のキャリアプランなど、具体的な説明をして家族の不安を解消し、応援してもらえるような状態にしておきましょう。
自分がやりたい仕事なのかを自問する
年収が100万円下がっても、本当にやりたい仕事であれば、その選択は決して間違っていません。人間、自分のやりたい仕事をしているのが最も充実するためです。一方で、収入が減ると生活が苦しくなるのも間違いありません。
人が死ぬ時に最も後悔するのは、「もっと好きなことをしておけば良かった」です。そうならないためにも、本当にやりたい仕事があるのなら、諦めずに挑戦する方が良いでしょう。
ただし、転職を決める前に、なぜその会社に行きたいのか、どのような仕事がしたいのかを自分自身に問いかけて納得しておくのが大前提です。納得できないまま転職すると後悔するため、注意しましょう。
生活に影響が出ないかどうかを試算する
年収が100万円も下がると、生活に大きな影響が出る可能性があります。そのため、転職前に、家計の見直しや生活費の削減など、具体的な対策をやっておきましょう。家計簿をつけていない場合は、家計簿をつけて家計の支出を見える化しておくと安心です。
100万円下がって苦しい場合は、貯蓄や副業など収入以外の収入源も検討し、生活の安定を重視すると安心して生活できます。
転職で年収が100万円下がらないための方法6選
転職をする人の中には、年収が100万円下がる人と上がる人がいます。下げないためには、以下の対策を取ってみましょう。
- 自己分析で自分の強みを明確にする
- 転職先の働き方も比較検討する
- 自分の市場価値を事前に確認しておく
- 新しいスキルを習得する
- 副業を始める
- 社内外の人脈を作る
自己分析で自分の強みを明確にする
転職活動で最も大切なのは、自分の強みを明確にすることです。自分の強みを理解できていると、転職活動でアピールするべき点がわかり、年収交渉でも有利に運べます。選考時のアピールポイントとしても活用できます。
転職の際は、まず過去の経験や実績を振り返り、どんな仕事で力を発揮できるのか、自分自身と向き合う時間を作りましょう。自分の強みがわかると自信がつくため、面接でも好意的に判断してもらえる可能性があります。
転職先の働き方も比較検討する
年収だけでなく、働き方も転職の重要な要素です。以下の点を現職と比べながら、本当に転職して後悔しないのか検討しましょう。
- 残業時間
- 休日数
- 福利厚生
- 通勤時間
- 手当
このように様々な角度から見て、自分にとって働きやすい環境かどうかを見極めてください。ワークライフバランスを重視する場合は残業が少ない企業を選ぶなど、自分の価値観に合った企業を選びましょう。
自分の市場価値を事前に確認しておく
転職活動前に、自分の市場価値を把握しておくのも非常に重要です。転職エージェントに相談したり、転職サイトで求人を検索したりして、自分のスキルや経験がどの程度の年収に見合うのかを知っておきましょう。
自分の市場価値を正確に把握できていると、無理のない年収交渉ができます。ビジネスパーソンにとって、自分は最も価値のある商品です。企業とのミスマッチを防ぐためにも、確認しておくと良いでしょう。
新しいスキルを習得する
年収を下げないためには、新しいスキルの習得もオススメです。自分の市場価値を高められます。ITなど需要の高い業界のスキルなら、転職をより有利に進められるでしょう。
将来的にキャリアアップにも繋がるため、取得するメリットは非常に大きい対策です。転職を希望している業界で活用できるものを取得し、選考を有利に進めましょう。
副業を始める
副業を始めて、本業とは別に収入を作る方法もオススメです。場合によっては100万円以上を稼げる可能性もあります。時間はかかりますが、結果が出れば収入の安定化にも繋がるでしょう。
また、副業を通じて新しいスキルや人脈を築ける点も魅力です。将来のキャリアパスを考える上でも有効な手段なので、やりたい仕事がある人は1度挑戦してみるのも良いでしょう。
社内外の人脈を作る
転職活動では、人脈が非常に大切です。転職エージェントや退社した同僚など、様々な人々と繋がりがあると有利になります。中にはリファラル採用のように、紹介で転職できるケースもあるでしょう。
副業をする上でも、人脈があると有利です。積極的に人と会って人脈を作り、様々な場面で活かせるような関係を作っていってください。
転職で年収が100万円下がる場合は別の収入源も考えよう
転職で年収が下がる可能性は決して珍しくありません。ですが、しっかりと準備をしておけばリスクを最小限に抑えられます。
自己分析や自分の市場価値の確認、新しいスキルの習得をして、転職の対策を取っていきましょう。年収が下がるのを恐れず、自分のキャリアを長期的に見据えて行動すれば、転職は大きなチャンスに変わりますよ。
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よくある質問
転職で年収が下がる許容範囲は?
年収ダウンの許容範囲は、一般的に10%以内とされています。一方で、働いていた環境によっては、年収が下がったけど転職して良かったとなる場合もあります。
人は利益を得るよりも損をする方に痛みを感じる生き物です。どこまでの範囲なら許容できるのかを予め把握しておくと良いでしょう。
年収が100万円下がると手取りはいくらになりますか?
日本は累進課税制度なので、100万円下がると大きく変動します。住んでいる場所によっても変わるため、計算ツールを使用するとわかりやすいでしょう。目安は以下です。
- 1000万円以下:額面給与の約70%~80%
- 1000万円超2000万円以下:額面給与の約60%~70%
- 2000万円超:額面給与の約50%~60%
日本では転職で年収が下がる人はどれくらいいますか?
厚生労働省が公表している「令和5年上半期雇用動向調査結果」によると、転職して年収が下がった層は33.2%になります。おおよそ3人に1人が転職によって年収が下がっています。
転職で年収の嘘を吐いていてバレたらどうなる?
内定取り消しや解雇になる可能性があります。企業にもよりますが、ほとんどの場合、就業規則に「入社時に虚偽申告をしていた場合は、懲戒処分の対象になる」とあるため、規則に従って処分されます。