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独学・オンライン教材 コスパの良いプログラミング学習方法は?
- #プログラミングスクール
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こんにちは、RareTECH編集部です。エンジニアを目指す方からよくされる質問に「コスパの良いプログラミング学習方法は?」というものがあります。回答として、自分の経験や同じエンジニア仲間が実践し効果があったものを紹介しています。これは、特にプログラミングをこれから学ぼうとする方や、学習の途中で方向性に迷っているエンジニア初学者にとって、切実な問題です。私たちは、実践して効果があった方法を基に、皆さんに役立つアドバイスを提供しています。
プログラミング学習における最大の障壁の一つは、学習への投資です。これには、時間とコストパフォーマンスの両面が含まれます。多くのプログラミング初心者・エンジニア初学者が直面するのは、限られたリソース(時間とお金)をいかにして最大限に活用するか、という点です。この問いに対する答えは単純ではありませんが、効果的かつ経済的な学習方法を見つけることが、成功への鍵となります。
この記事では、一般的にコスパが良いとされる独学とオンライン教材のみならず、コスパがありつつ効果も高いプログラミング学習を実現する方法に焦点を当てています。
監修者
古里 栄識
クラウドエンジニア/RareTECHメイン講師
慶應義塾大学理工学部卒業。フリーランスエンジニアとして活動後、AWS Japanに入社。現在は、RareTECH講師としての登壇や、法人向けIT研修講師として勤務。情報処理安全確保支援士。
コスパの高いプログラミング学習法とは
プログラミングの学習において、コストパフォーマンスを最大化するには、賢く学習リソースを選択し、効率的な学習方法を採用することが不可欠です。以下に、エンジニア初学者にとって一般的な良コスパ学習戦略を紹介します。
独学とオンライン教材の活用
独学は、最もコスパの高い学習方法の中核をなします。自分のペースで学べる利点があり、特にプログラミングのような技術的な分野では、実践を通じて理解を深めることが重要です。オンラインで利用できる様々な教材、例えば公式ドキュメント、チュートリアルビデオ、ブログ記事、書籍、オンライン学習アプリなどが役立ちます。これらは無料、または非常に少額であることが多いです。コスパよく自分の学習スタイルや必要に応じて選ぶことができます。
教材の例としては、以下が挙げられます。
- 各種公式ドキュメント エンジニアになるなら絶対に読むことが必要かつ最も信頼できるソースとなります。プログラミング言語やフレームワークの公式ドキュメントは、その言語やフレームワークの基本的な仕組みや使い方を学ぶための最適なリソースです。
- チュートリアルビデオ Youtubeなどにある解説・チュートリアルビデオは、プログラミングの基本的な概念や手順を視覚的に学ぶのに役立ちます。少し奮発して1000円ちょっと出せるなら、Udemyはかなりコスパが良いと言えます。
- ブログ記事 ブログ記事は、最も手軽にプログラミングに関する最新のトレンドや情報、実践的なノウハウなどを学ぶのに役立ちます。
- 書籍 ブログ記事だけですと全体的な知識を得るのに遠回りすることもあります。書籍は、プログラミングの基礎から応用まで、体系的に学ぶのに役立ちます。プログラミングの技術書は4000円くらいしますが、エンジニアになれればすぐに取り戻せますし、経費にしてくれる会社も多いです。
- オンライン学習アプリ・サービス ProgateやPaizaなどのオンライン学習アプリ・サービスは、月額1000円程度で、スキマ時間を利用して学習を進めるのに便利です。
無料または低価格のオンラインコースやチュートリアルの紹介
インターネット上には、無料または低価格で高品質なオンラインプログラミングコースが数多く存在します。
英語に抵抗がない方、おめでとうございます。CourseraやedXなどのプラットフォームは、大学や専門機関と提携し、コスト効率の良い学習体験を提供しています。英語の教材が多いですが、エンジニアにはある程度の英語理解が必要となってきますので、ついでに勉強するというのもありかもしれません。急がば回れという言葉ではないですが、プログラミング学習と並行して英語も勉強するというのは非常にコスパのいい戦略だと言えます。
日本語でも学べるおすすめのコースやチュートリアルの例としては、以下が挙げられます。
- Coursera
Python for Everybody ※日本語字幕があります。 Programming with Google Go ※日本語字幕があります。
- edX
TokyoTechX: プログラミングしながら学ぶコンピュータサイエンス入門 : Introduction to Computer Science and Programming
「もうこれだけやってればいいんじゃないの?」レベルの、ハーバード大学が提供するコンピューターサイエンスの全体像を学べるCS50。それを無料かつ日本語字幕で学べる最強コスパの動画教材はこちらです。
コースやチュートリアルを選ぶ際のポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。受けてみなければわからないものが多いので、評価が高いものをとりあえず選んでみるというのも大いにありです。
- 内容の充実度
必要な知識やスキルを網羅しているか
- 講師の質
わかりやすく教えてくれるか
- 学習者のレベル
自分のレベルに合っているか。世の中に質の良い教材は溢れていますが、これが最も難点です。無理せず段階的にレベルを上げていくようにしましょう。
コミュニティやフォーラムを利用した情報交換の重要性
プログラミング学習において、コミュニティやフォーラムの活用は非常に重要です。無料で同じエンジニアや有識者の意見を聞けるというのは非常にコスパが良いと言えます。
有用なものは多くありますが、まずは次のサービスをお勧めします。
- Qiita(キータ)
Qiita プログラマーやエンジニアが自身の知識や経験を共有するプラットフォーム。エンジニアになれば相当お世話になります。多様な技術記事、チュートリアル、コード例が豊富に提供されており、無料です。学びを得たり課題を解決したらここに投稿することで意見を貰うことがあるかも知れません。それは新たな気づきを得ることができ、非常に刺激的な学習体験になります。
- teratail(テラテイル)
teratail プログラミングやITに関する質問を投稿できるQ&Aサイト。初心者から経験豊かなプロフェッショナルまでが互いに知識を共有し、助け合っています。ここで質問でき、適切な回答をもらえるようになればエンジニア初学者になったと考えて良いかも知れません。質問ができる、つまり問題点を説明できる能力は、課題解決を生業とするエンジニアには必須の能力です。
コミュニティやフォーラムを活用する際には、以下のことに注意するとよいでしょう。
- 質問は明確に、簡潔に書く
どのように質問すれば回答をしてもらえるか、結論から記述するようにすると良いでしょう。
- 回答に感謝の気持ちを示す
相手はAIではなく、感情を持った人間です。時間を使ってあなたの課題解決に力を貸してくれているのですから、感謝は必要でしょう。
- 他の人の質問にも積極的に回答する
学習したことを人に説明できるようになることで、初めて身についたと言えます。説明できないなら、わかったつもりのうろ覚えですので復習しましょう。
これらのプログラミング学習戦略を参考に、自分に合った学習方法を見つけてみてください。しっかりと学習を進めることで、コストを抑えつつも、効率的にプログラミングスキルを身につけることができます。
独学の問題点とその解決方法
ここまで説明した教材は、独学で学んでいくことが前提となっています。独学は最もコストパフォーマンスが良く、自分の好きな時に好きなだけ学習できるという、非常に柔軟性が高い学習方法です。しかし、いくつかの課題も伴います。ここでは、独学あるあるな一般的な問題点とそれらを克服するための解決策を探ります。
- 自己管理の難しさ
問題点:他の学習でも同じですが、気づいたらスマホをいじってしまう集中力の欠如。スキルを身につけるには、時間に質をかけるしかないのに、その両方とも損なってしまいます。あとは、測定できるスキルを設定しない、期限を定めないためいつまで経ってもレベルが上がらないということもありがちです。
解決策: 目標設定とタイムマネジメントの技術を活用する。明確な学習計画を立て、定期的に自己評価を行う。 - 全体像の把握の困難さ
問題点:ゴールがわからない、見えないことを続けるのは非常に苦しいです。自分が今やってることはなんのためか、どこまで学んだかがわかるマップを持つ必要があります。
解決策: 体系的なカリキュラムが用意されているオンラインコースや技術書を活用する。分野ごとの学習パスを設定して、段階的に学習を進める。 - モチベーションの維持
問題点:エンジニアを途中で辞める人の言い分ナンバー1と言ってもいいものがこちらです。理由は様々ですが、最終的にはモチベがなくなり継続できなくなります。ではどうするか?例えばとりあえずPCを起動してVSCodeなどのエディタを開き、今日のタスクなどを書き出すことを習慣化すればハードルを一つ超えたと言っていいでしょう。また、仲間を見つけることは非常に有効です。
解決策: プログラミング学習を仕組み化、習慣化する。学習コミュニティに参加し、同じ目標を持つ仲間と交流する。自分の進捗を共有し、他人の成功事例から刺激を受ける。 - 技術的な問題や疑問の解決
問題点:こちらもエンジニアを諦める理由ナンバー1か2の問題です。自分でいくら考えても、いくら調べても、全くわからないことはよくあります。時間ばかりが過ぎて行き、解決するかどうかもわからず、相当な苦痛となります。
解決策: 質問ができるようになりましょう。オンラインフォーラムやteratailなどのQ&Aサイトを活用し、専門家や他の学習者から助言を求める。 - 実践的なスキルの欠如
問題点:理屈はわかったものの技術を何に生かすかがわからない、これは非常に勿体無い状況です。エンジニアの仕事は課題を解決することですので、身近な課題を解決することから始めてはいかがでしょうか?
解決策: ハッカソンなどに参加し、実際のプロジェクトを通じて学ぶ。オープンソースプロジェクトへの貢献や個人プロジェクトの開発を行い、実務経験を積む。エンジニアを目指したにも関わらず、途中でやめてしまう人はなんと9割もいるそうです。このセクションでは、独学の際に遭遇する可能性のある問題点を理解し、それらに対する効果的な解決策を提案しました。これで、エンジニア初学者は独学の過程で直面する挑戦をより効果的に克服し、学習効率を高めることができるでしょう。
独学以外のアプローチ
プログラミングを学ぶ方法は独学だけに限らず、様々なアプローチがあります。独学以外の学習アプローチは、特に新しい概念や高度な技術を効率的に学ぶのに役立ちます。以下に、独学以外の効果的な学習方法を紹介します。
- 指導付きの学習プログラム
プログラミングスクール: 手っ取り早くエンジニアになる近道の一つ。必要十分かという問題はある。
コーディングブートキャンプ: 集中的なトレーニングを提供し、実践的なスキルを短期間で習得できる。
大学や専門学校のコース: 系統だった学習と学術的な背景を提供し、深い理解を促進する。 - オンラインコースと認定資格
MOOCs(大規模公開オンライン講座): jmoocなどの、大学レベルのコースをオンラインで受講する。
専門的な認定資格: LinuxやPython、AWS認定資格など特定の技術やツールに関する専門性を証明する資格を取得する。 - メンターシップとコーチング
業界の専門家による個別指導: 実務経験豊富なメンターやコーチから直接指導を受ける。ピンキリだが、MENTAなどで依頼できる。
キャリア開発のサポート: キャリアゴールに沿った学習計画の作成やジョブマーケットでの指導を受ける。エンジニア未経験者にはハードルが高い。 - 協働学習とワークショップ
学習グループやスタディグループ: 同じ目標を持つ学習者と協力して学ぶ。自分に合った仲間を見つけるととても楽しい。 ワークショップやセミナー: 実践的なワークショップに参加し、手を動かしながら学ぶ。
- インターンシップと実務経験
企業でのインターンシップ: 実際の開発環境での経験を積む。中途だと難しいが、学生はやらない手はない。
プロジェクトベースの実務経験: 実際のプロジェクトに参加し、実務におけるスキルを習得する。バイトでもいいので潜り込めると経験値爆上げ間違いなし。
独学以外のアプローチは、より高い次元での問題を解決しようとする次のステップであるとも言えます。他者の目から、プログラミング学習において多様な視点と経験を提供し、学習者が新しいスキルをより効率的かつ実践的に習得するのを支援します。これらの方法は、独学に比べるとややコストはかかりますが、独学の限界を補い、より包括的で効率的な学習経験を提供することができます。
コスパが良くても効果がなければ意味がない
プログラミング学習において、コスパの良さは魅力的ですが、それが実際の学習効果に結びつかなければ無意味です。RareTECH受講生の受講前のプログラミング学習経験のエピソードとして次のようなものがよくあります。
初心者の頃、できるだけ費用をかけずにプログラミングを学ぼうとする。インターネット上の無料教材や動画を駆使し、コストを抑えることには成功。しかし、数ヶ月後、あまり進歩していないことに気づく。
無料のリソースは豊富だが、それらは断片的で統合された学習カリキュラムには程遠かった。
教材が時代遅れで、現代の開発環境に即してなかった。など。
まず、初心者が低価格のものを選びがちな傾向ですが、これは失敗しても低価格ならダメージが少ないということがあるかも知れません。あとは、知識に対する価値がまだわかっていないということも考えられます。実は多少のお金をかけたほうが、逆にコスパが良くなることもあります。
さておき、この経験から解決すべき重要な教訓は、以下のポイントです。
- 教材の質と最新性
質の高い教材を選びましょう。また、技術の進歩が速い分野であるため、最新の情報に基づいた学習が必要です。
- 体系的な学習プラン
興味に基づいた散発的な情報ではなく、体系的に整理されたカリキュラムの重要性。点と点を繋ぐように、段階的に知識を構築することが効果的な学習には不可欠です。
- メンターシップと実践的な経験
メンターや実際のプロジェクトに参加することで、実践的なスキルと理解が深める。学習効果を大きく高めます。
コスパの良さだけを追求するのではなく、学習の質とその効果にも目を向けることが重要です。低コストの学習方法を選ぶ際にも、その内容の質、カリキュラムの体系性、そして実践的な経験の機会を重視するべきです。このバランスを取ることが、コスパと効果を両立するプログラミング学習の鍵となります。
まとめ「量産型エンジニア」から「希少型エンジニア」への道
この記事では、プログラミング学習はコスパだけでなく、実際に効果があるものでないといけないということを解説しました。その手法として、効果的な学習方法と質の高い教材の選択、体系的なカリキュラム、実践的なプロジェクト経験、そして継続的なスキルの向上に焦点を当てました。
以下は宣伝的な内容となりますがお付き合いください。
RareTECHのプラットフォームは、これらの要素を総合的に提供し、学習者が「量産型エンジニア」ではなく、「希少型エンジニア」になるためのサポートをしています。「量産型エンジニア」とは、基本的な技術スキルを持ちながらも、市場で溢れている一般的なエンジニアを指します。これに対し、「希少型エンジニア」は、独自の専門性や深い技術知識、実践的な経験を持ち合わせ、市場で高い需要があるエンジニアです。このようなエンジニアになるためには、次のポイントが重要です。
- 質の高い学習
最新の技術トレンドに合わせた質の高い教材と指導を受けること。
- 実践的な経験
実際のプロジェクトに参加し、実務での問題解決能力を磨くこと。
- 継続的な成長
技術の進歩に合わせて学習を続け、スキルセットを常に更新すること。
RareTECHは、これらの要素を統合し、各学習者が独自の道を切り拓くための支援を提供しています。プログラミングの学習は単なるスキル習得以上のものであり、それを通じて自分自身を市場で希少な価値を持つエンジニアに変えていくことが可能です。もし「希少型エンジニア」に興味を持っていただけたら、次の記事も読んでいただけると幸いです。