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プログラマーは稼げる?平均年収や高収入を実現する方法
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こんにちは、RareTECH編集部です。この記事では、プログラミングのキャリアの種類や、それぞれのメリット・デメリット、キャリア形成のポイントなどについて、詳しく解説していきます。
RareTECH編集部には、フロントエンド、バックエンド、インフラなど、さまざまな分野のエンジニアが在籍しています。その経験や知識を活かし、皆様のキャリア形成に役立つ情報を提供していきたいと考えています。プログラミングのキャリアに興味のある方や、キャリア選択に悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
監修者
古里 栄識
クラウドエンジニア/RareTECHメイン講師
慶應義塾大学理工学部卒業。フリーランスエンジニアとして活動後、AWS Japanに入社。現在は、RareTECH講師としての登壇や、法人向けIT研修講師として勤務。情報処理安全確保支援士。
プログラマーが稼げるって本当に?
結論から言うと、他の業界に比べて、プログラミング業界は高収入を得られる可能性が高いと言えるでしょう。
プログラミング業界は、高収入の職業とイメージされることが多いですが、実際はスキルや経験、分野、地域などによって収入は大きく異なります。
この記事では、プログラミング業界の収入実態について、詳細に解説します。具体的には、以下のトピックについて取り上げます。
- プログラマーの稼ぎは?給与の実態
- プログラミング分野における収入の違い
- プログラマー・ITエンジニアののキャリアパスと収入の関係
- フリーランスと正社員プログラマーの収入比較
- 教育や継続的な学習が収入に与える影響
この記事をプログラミング業界でのキャリア形成の参考にしていただければ幸いです。
プログラマーの稼ぎは?給与の実態
経産省の資料によると、日本におけるプログラマー・ITエンジニアの年功型と能力・成果型の中間で求めた場合年収の平均は543万円とされています。2023年の平均年収(duda調べ)は414万円とされていますので、日本の平均年収よりも約30%高く、かなり高い給与水準と言えます。医師や弁護士といった特殊かつ高度なスキルを要する職種に比べると低いかもしれませんが、ある程度の適正や訓練で目指せるプログラマー・ITエンジニアは他の職種に比べて挑戦もしやすく「稼げる職種」と言って過言ではないでしょう。
※経産省のデータは2017年のものですので、2024年現在はもっと高くなっていると思われます。
x(旧Twitter)などのSNSでプログラマー・ITエンジニアの声を拾ってみると「300万円台」「500万の壁がある」「1000万超えた」など非常にばらつきがあります。これは経験・スキル・分野または社員・フリーランスといった雇用形態の違いなどによるものと考えられます。
プログラミング分野における収入の違い
ウェブ開発
ウェブ開発では、見た目を担当するフロントエンドと、サーバー側の動作を司るバックエンドという二つの主要領域があります。フロントエンドではHTML、CSS、JavaScriptなどの技術が用いられ、バックエンドではPythonやJavaなどの言語が重要です。特にフルスタック開発者は、両方の領域に精通しているため、市場で高い収入を得る可能性があります。
モバイルアプリ開発
モバイルアプリ開発は、iOSとAndroidの二大プラットフォームに分かれ、それぞれSwiftやKotlinといった言語が用いられます。この分野では、クロスプラットフォーム開発スキルを持つ開発者が特に価値を持ち、高い収入を得ることが期待されます。
データサイエンス
データサイエンティストは、PythonやRを使用し、データ分析や機械学習の技術を駆使することが求められます。この分野では、数学的な知識とデータ処理のスキルが重要で、特に大量のデータを扱う企業において高収入を得る可能性があります。
データサイエンス
データサイエンティストは、PythonやRを使用し、データ分析や機械学習の技術を駆使することが求められます。この分野では、数学的な知識とデータ処理のスキルが重要で、特に大量のデータを扱う企業において高収入を得る可能性があります。
ゲーム開発
ゲーム開発は、C++やC#などの言語を用いて、ゲーム物理やグラフィックスを開発します。この業界ではプロジェクトや地域によって収入が大きく異なりますが、大手ゲーム会社や成功したインディーズ開発者は特に高い収入を得ることがあります。
インフラ・クラウドエンジニア
最後に、クラウドコンピューティングとインフラストラクチャの分野は、AWSやAzureなどのクラウドサービスを使用し、アプリケーションの開発と管理に関わります。この分野の専門家は、特に大企業やテクノロジー企業において、高い収入を得る機会が多く見られます。
分野別給与比較
プログラミング分野 | 平均給与水準 |
---|---|
ウェブ開発 | 中 |
モバイルアプリ開発 | 中〜高 |
データサイエンス | 高 |
ゲーム開発 | 中〜高 |
インフラ・クラウドエンジニア | 高 |
給与水準・低はないの?
もちろん給与水準が低い状態もあります。プログラミングの各分野には、さまざまなスキルや経験レベル、地域によって、給与水準に差があります。初心者やエントリーレベルの開発者は、経験やスキルが不足しているため、300万円台、時にはそれ以下と比較的低い給与水準となる可能性があります。
RareTECHではこの水準に長くとどまってしまうプログラマー・ITエンジニアを「量産型エンジニア」と表現しています。この水準では、給与が割に合わない、やりがいを感じられないなどの理由から、エンジニア業界を離れてしまう人も少なくありません。
しかし、一方でこの状態を脱却し、標準的エンジニア、もしくは高単価エンジニアである「希少型エンジニア」を目指す人もいます。「希少型エンジニア」は、特定の分野で高いスキルや経験を有しており、市場価値が高いため、高単価で雇用される傾向にあります。
多くの低単価な「量産型エンジニア」は、追加の学習や経験を積むことで、自分のスキルを向上させ、より高い収入を目指すことができます。しかし、全ての「量産型エンジニア」がこのような成長を遂げるわけではありません。市場の需要、個人の学習意欲、キャリアに対する取り組み方など、さまざまな要因によって、キャリアの進展は異なります。重要なのは、個々のエンジニアが自分のキャリアに対してどのような取り組みをするか、そしてどのように市場の変化に適応していくかです。
希少型エンジニアって何?と言う方はぜひ次の記事も読んでみてください。
USBも知らなかった私が独学でプログラミングを勉強してGAFAに入社するまでの話
プログラマー・ITエンジニアののキャリアパスと収入の関係
プログラマー・ITエンジニアの業界は、日本型の年功序列より経験・能力が評価される比重が大きくなっています。愚直かつ効果的なスキル研鑽が収入に直結するため、努力のしがいがあります。もしプログラマーに必要な才能を一つ挙げるとしたら、努力をし続けられることが挙げられると思います。言い換えると、努力が比較的正当に評価される業界だと言えるでしょう
エントリーレベル・量産型エンジニア
役割と収入
エントリーレベルのプログラマー、いわゆる「量産型エンジニア」は、基本的なプログラミングスキルを持ち、比較的単純なタスクを担当します。この段階では、収入は業界の最低水準に近い傾向があります。もしこの状態が3年間続くなら何かしらの方針転換が必要だと思われます。
成長の可能性
量産型エンジニアは、経験を積み、新しいスキルを学ぶことでキャリアパスを上向きに進む機会があります。一方で努力することが割に合わないと辞めてしまう人も少なくありません。
中間レベル・標準的エンジニア
役割と収入
中間レベルのプログラマーは、より複雑なプロジェクトに参加し、専門的なスキルを発展させます。この段階では、収入はエンジニア業界における平均水準に達し、プロジェクトの成功によりさらに増加する可能性があります。とはいえ、他の業種に比べてある程度高い収入となるためここで満足してしまう人が多いのも事実です。
キャリアの進展
中間レベルのエンジニアは、高度なテクニカルスキルやプロジェクト管理能力を磨くことで、上級レベルへと進むことが可能です。
上級レベル・希少型エンジニア
役割と収入
上級レベルのプログラマー、または「希少型エンジニア」としては、特定の技術領域で高い専門性を持ち、業界内での需要が高いため、収入は上位20%に位置します。圧倒的な努力量と、それを楽しむ余裕を持ち合わせています。
専門技術者としての地位
これらのエンジニアは、特化した技術知識、リーダーシップ、イノベーション能力により、プロジェクトの方向性を決定し、チームをリードする重要な役割を担います。
管理職や専門技術者への進展
キャリアパス
経験豊富なプログラマーは、管理職や高度な専門技術者へと進む道を選ぶことができます。これには、プロジェクト管理、チームリーダーシップ、または特定の技術分野におけるエキスパートとしての役割が含まれます。
収入と評価
これらのポジションでは、収入はさらに高くなり、個人の専門性とチームやプロジェクトへの貢献度が評価の主要な基準となります。
フリーランスと正社員プログラマーの収入比較
さて、エンジニアが高収入とみなされる理由の一つに、フリーランスのプログラマー・エンジニアの存在があります。ここではフリーランスという働き方を正社員と比較します。
フリーランスプログラマー
フリーランスプログラマーの収入はプロジェクトや契約に依存し、非常に変動が大きいです。高い技術力や専門性を持つフリーランスは、高単価のプロジェクトを獲得することが可能で、収入が正社員を上回ることもあります。
正社員プログラマー
正社員プログラマーは一般的に安定した収入を得ることができます。企業による福利厚生や昇給、ボーナスが収入の一部となります。
利点と欠点を比較
職種 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
フリーランスプログラマー | 柔軟なワークスタイル、仕事の選択の自由、高単価プロジェクトへのアクセス | 安定性の欠如、自己管理の必要性、保険や福利厚生の自己負担、仕事の確保に関する不安 |
正社員プログラマー | 収入の安定性、企業提供の福利厚生、キャリアの進展機会、チームでの協力作業 | 収入の上限が比較的固定される、仕事の選択の柔軟性が限られる、企業の方針や組織文化への適応が必要 |
フリーランスと正社員のどちらを選ぶかは、個人のキャリア目標、ライフスタイルの選択、リスク許容度に大きく依存します。フリーランスは高い自由度と潜在的な高収入を提供しますが、不安定性と自己管理の責任が伴います。一方で、正社員は安定した収入と福利厚生を提供しますが、企業の方針に従う必要があり、キャリアの柔軟性が限られる場合があります。ある程度のスキルを持つことで、これらを自由に選ぶことができるようになります。
教育や継続的な学習が収入に与える影響
教育レベルや継続的な学習は、収入に大きな影響を与えます。一般的に、教育レベルが高いほど、収入も高くなる傾向にあります。また、継続的に学び続けることで、新しいスキルや知識を身につけ、キャリアアップや昇給につながります。
需要の高いスキルや資格とそれに関連する収入の可能性
需要の高いスキルや資格を身につけることで、より高い収入を得る可能性があります。例えば、AIやデータサイエンスなどのスキルは、近年急速に需要が高まっており、それに伴って収入も高まっています。また、資格取得によって、特定の分野の専門家として認められ、高収入を得ることも可能です。
具体的な例
- 大学卒業で年収400万円、大学院卒業で年収500万円
- CS系の大学ならインターンを経由し500万〜スタート
- 文系大学を中退しバイトでPythonやJavascriptなどのプログラミングスキルを身につけて、フリーランスとして独立後年収1000万円
- 流行っているという理由でデータサイエンス関連の資格を取得して、年収700万円へと200万アップ
上記はRareTECH編集部の身の周りの人の例ですが、このように、専門的な教育やスキルアップは、個人の収入やキャリアアップに大きな影響を与える可能性があります。今後の社会で活躍するためには、常に学び続ける姿勢が重要です。
学歴以外での成功の可能性
学歴は高い年収を得るためのスタートダッシュに非常に有効な要素です。とはいえ、他業種からのキャリアチェンジでプログラマー・ITエンジニアを目指す方も多くいます。ITの専門教育を受けていなかった人に門戸は開かれていないのでしょうか?いくつかの解決方法があります。
実務経験
実務経験は非常に重要で、実務経験を積むことで専門性を高め、キャリアアップが可能です。特に、特定の業界や職種においては、実務経験が高く評価されることがあります。 石の上に3年という言葉もありますが、まずは一定のキャリアを積むために、取り組みやすい派遣やSESなどで勤めるのも一つの手段です。
技能・技術の習得
AI、クラウドコンピューティング、ブロックチェーンなど、最新の技術を学ぶことで、専門性を高め、より高い収入を目指すことができます。これらの技術は、常に進化しているため、継続的な学習が不可欠です。
起業・フリーランスとしての活躍
フリーランスのエンジニアに学歴が求められることはほぼありません。高度な学歴よりも、実践的なスキルやビジネスセンスが求められます。
継続的な学習の重要性
エンジニアで高収入、つまり「希少型エンジニア」を目指すには継続的な学習・努力が必要です。独学でも可能ですが、オンラインスクールやメンターを利用することで、モチベーションを維持しつつ学習を続けることができるでしょう。
オンライン教育の活用
オンラインスクールなどのオンラインプラットフォームを利用して、新しいスキルや知識を学ぶことができます。これにより、時間や場所に縛られることなく、自分のペースで学べます。
ネットワーキングとメンターシップ
業界のプロフェッショナルとのネットワーキングやメンターとの関係を築くことで、キャリアに役立つ知識やスキルを獲得できます。
これとは少し異なるかもしれませんが、AWSを深く学びたい場合、AWSサポートのビジネスプランを契約するのも一つの手段です。月額100ドルかかりますが、IT技術書を何冊も買って自分で読み解くより、AWS公式のエンジニアに質問し放題と考えるとコスパは相当高いと言えます。質問への回答を急がないなら、一つ下のデベロッパープラン(月額29ドル)でも十分役立ちます。
コミュニティへの参加
IT業界のイベントやコミュニティに参加することで、最新の情報を得たり、業界のプロフェッショナルと繋がりを持つことができます。多くの刺激を受けるとともに仲間のいる安心感を得ることもできます。
まとめ
さて、プログラマー・ITエンジニアが稼げるということはわかりました。この記事では、プログラミング業界における収入の実態とそれに影響を与える様々な要因について検討しました。最も重要なのは、プログラミング業界では継続的な努力と学習が収入に直結するという点です。つまり、エンジニアの給与水準が高いのは、自助的に継続した努力・勉強時間を確保する必要があるからとも言えるでしょう。
技術の進歩とスキルアップ
技術が絶えず進化するこの業界では、継続的な学習とスキルの向上が不可欠です。最新のトレンドに追いつくことは、収入向上のための鍵となります。
キャリアパスの多様性
エントリーレベルから中間レベル、そして上級レベルへとステップアップすることで、収入は段階的に増加します。フリーランスと正社員という異なるキャリアパスも収入に影響を与えます。
自己投資の重要性
自己投資、特に教育や研修、資格取得に注力することで、キャリアの可能性は大きく広がります。
エンジニア志望者に対するアドバイスとしては、継続的な学習とスキルの向上に専念し、柔軟にキャリアパスを模索することが推奨されます。また、個々の強みや興味を生かし、市場価値の高いスキルを身につけることが、高収入を目指すうえでの重要な要素となります。
プログラミング業界は、努力と成長を続けることで、高収入を得る機会が多い業界です。自分の好きな分野を学び続けることが苦じゃない人にとっては、非常に魅力的な業界といえます。
最後に、日本の社会人は1日平均13分しか勉強しないという事実をご存知でしょうか?プログラマー・ITエンジニア業界では勉強している人が多いとはいえ、一定の勉強時間を確保できてさえいれば、気づいたら「希少型エンジニア」になっているかもしれませんね。
※元のソースは総務省の社会生活基本調査